歯を失ってしまった場合、入れ歯やインプラント、ブリッジなどの治療を受けずにそのまま放置していると、さまざまなリスクが生じます。見た目の問題だけでなく、口腔内や全身の健康にも悪影響を及ぼすため、適切な対処が必要です。今回の記事では、歯を失ったまま放置することによるリスクについて詳しく解説します。
● 噛む力の低下と消化不良
歯がない状態では、十分に咀嚼できず、食べ物が大きなまま胃へ送られることになります。その結果、胃腸に負担がかかり、消化不良や胃もたれを引き起こしやすくなります。
● 残っている歯への悪影響
歯が抜けたまま放置すると、その周囲の歯が少しずつ動き始め、噛み合わせが崩れてしまいます。本来、歯は互いに支え合いながら適切な位置を維持していますが、一本でも失うとバランスが崩れ、歯並びが悪くなる原因になります。隣の歯が傾いたり、対合する歯が挺出(伸びてくる)することで、他の歯にも負担がかかります。
● 顎の骨が痩せる(骨吸収)
歯が抜けると、その部分の顎の骨は徐々に痩せていく「骨吸収」のリスクがあります。骨が痩せると、顔の輪郭が変わり、加齢が進んだように見えることがあります。
● 発音がしづらくなる
歯は、正しい発音をするためにも重要な役割を果たしています。また、歯がない状態が長く続くと、舌の動きが変化し、発音に影響を与えることがあります。
● 全身の健康への影響
歯がないことによる影響は、お口の中だけにとどまりません。噛む力の低下により、食事のバランスが崩れ、栄養不足を引き起こす可能性があります。さらに、噛むことは脳を刺激するため、噛む力が低下すると認知症のリスクが高まるともいわれています。
●まとめ
歯を失ったまま放置すると、噛む力の低下、顎の骨の痩せ、発音の悪化、全身の健康への悪影響など、さまざまな問題が発生します。最悪の場合、他の歯まで失う原因となるため、早めに適切な治療を受けることが大切です。
もし歯を失った場合は、できるだけ早く歯科医院に相談し、自分に合った治療方法を見つけましょう。